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政府と世界最大のソフトウェア会社とのあいだで火花が散っていたとき、E氏は個人的な問題に対処を迫られていた。
M社のデベロッパーリレーショングループのB氏は、あいかわらずクロームの伝道活動に尻込みしていて、その理由のひとつが、この新規テクノロジーを扱えるほど高速なパソコンがまだ市場に出ていないということだった。
噂によれば、DRGは、E氏がダイレクトXの強化をぐずぐずと遅らせているのは、クロームに伝道師の支援がないことを根に持っているからではないかと疑っているらしい。
根拠のない疑いではあったが、例によって必要のない政治的な内紛が発生して、E氏と社内のほかの人びととの対立というパターンがくり返されようとしていた。
おまけに、またもや組織の再編成が予定されていた。
今回は、上層部の激しい内輪もめと、吹き荒れる反トラスト法の嵐に対処する必要が生じたことが原因だった。
ウィンドウズNTの監督であるO氏は、かつてウィンドウズや社内の最初のインターネットグループを監督していたライバルのS氏の息の根を止められる立場にいた。
S氏が休暇中に、O氏はインターネットの開発部隊をウィンドウズグループに統合しようとしていたのだ。
M社が、いずれウィンドウズやウィンドウズを、もとはビジネス向けのOSだったウィンドウズNTのコンシューマー版で置き換えるつもりだというのはよく知られていた。
O氏は、このウィンドウズの移行を指揮するのは自分しかいないと主張していた。
M社は、ブラウザをウィンドウズに融合させようとしているいまこそ、両部門を合併させるのにちょうどいい時期と判断した。
べつに管理していたのでは、このふたつのテクノロジーが同じものだと主張する。
S氏が休暇をとっていた隙に、O氏は指揮権を握った。
いまや、M社のOSとインターネットの両グループは、彼の支配下に置かれたのだ。
S氏は、家族と過ごす時間を増やすために休暇を延長すると宣言したが、実際には適当な職場をさがしているのではないかという噂だった。
O氏が起こした政変は、めぐりめぐってE氏にも影響をおよぼした。
S氏は、社内のほかの人びとが渋っていたときにダイレクトXにゴーサインを出したし、E氏がD社の買収を要求したときにも賛成してくれた。
S氏の退位は、E氏にとって重要な味方がひとり減るということだった。
「おれはブラッドのことをすごく尊敬していた」E氏は語る。
この再編成でいなくなる味方は、S氏ひとりではなかった。
C氏が、J氏のかわりに、ウェブ・クライアント&コンシューマー・エクスペリエンス部の部長になる。
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